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​軍用(ミリタリー)エアバンドの世界

軍用機と民間機のエアバンドはまったく違う点があり、まず基本はチャンネルで周波数を指示されること。

​レーダーサイトと僚機との複数を相手にする通信や、いまは民間機相手では聞かなくなったGCА(無線による着陸誘導)など

​このミリタリーエアバンドの世界では、それらを詳しく紹介していきます。

軍用機のチャンネル

軍用機の無線機、無線チャンネル

左の写真にあるように、軍用機の無線機には1から20のプリセットした周波数と、その上にマニュアルで周波数をセット出来るようになっています。

​航空自衛隊の機上無線のチャンネルプリセットの例として

 

1ch:236.8TWR/全国共通 

2ch:TWR所属基地別

3ch:275.8GND/全国共通

4ch:362.3DEP/全国共通

5ch:APP所属基地別

6ch:GCI全国共通

7ch:GCI全国共通

8ch:GCI全国共通

9ch:GCIなど所属基地別

10ch:GCIなど所属基地別

11ch:GCI全国共通

12ch:GCI 全国共通

13ch:GCIなど 所属基地別

14ch:GCIなど 所属基地別

15ch:261.2 全国共通

16ch:270.8 全国共通

17ch:335.6 全国共通

18ch:APPなど所属基地別

19ch:APPなど 所属基地別

20ch:APPなど 所属基地別

 

注意:GCIの周波数は国防に関する機密であり公開できません。

​またチャンネル番号は基地によって違うので、オリジナルのリストを作ってみて下さい。

​緊急発進(スクランブル)の交信

​飛行機の無線は高い空で飛ぶ場所から電波を発信しているために電波も隣の県を飛んでいても聞こえてくることがあります。

ただし、航空自衛隊のスクランブルに関しては対象国が中国やロシアが主なこともあり、北海道や沖縄以外では受信するのはかなり難しいと思われます。

​太平洋側に飛行するロシアの爆撃機(偵察機)もあるけれど、スクランブルする回数はさらに少ないし、交信を聞けるのはまさに宝くじレベルでしょう。

北海道や沖縄在住のリスナーでも、スクランブルで発進した航空機は、データーリンクでヘッドアップディスプレイに映し出されるターゲットを追いかけるので、管制圏を離脱したら僚機との通信すら、合図以外はほとんど交わさないし受信は困難・・・

それだけに「これから写真撮影を実施する」とか「警告を実施する」などと聞こえたら鳥肌ものではありますので、ぜひ困難でも受信にチャレンジしてもらいたい。

​もちろん、聞いた以上は堅く口を閉ざしていただくのはマニアの鉄則です!!

​戦闘機の緊迫したやりとりが聞こえるGCI

自衛隊機を含む軍用機の無線は、戦争状態でもない限りはАCМ(空対空戦闘)は戦闘機と地上(レーダーサイト)との交信を聞くことになりますが、こちらは全国に散らばっているレーダーサイトと戦闘機の交信は高度のある戦闘機側の音声なら200km程度なら聞こえる範囲です。

もちろん受信機やアンテナの性能によって、より遠くが聞こえる可能性があるのは言うまでもありません。

GCIは地上要撃管制といって、レーダーサイトの幹部と敵・味方役の戦闘機が方向や高度、速度などを伝えならがドッグファイトをしたり、領空侵犯の対処訓練をしたりするやりとりが聞けます。

基本的には2対2の戦闘機同士の訓練なので、周波数も違うものを使用するために同時に聞くことは録音でもしておかなければ難しい・・・(受信機もふたつ必要になるので)

​ただ、スクランブルと違って訓練中は、ほとんどレーダーサイトや僚機と交信しているので、周波数は発見しやすいので、基地に行った際には離陸後にリーダーからチャンネルを指示するので、それをリスト化すれば立派なリスナーです。

​(チャンネルは数字もしくはアルファベットで指示します。たとえばレッツゴーチャンネルF(フォックストロット)など。

​ミリタリーエアバンドを楽しんでいる人たちの、いちばん触れたい世界でありながら国防に関する通信なので公開できないのは大きなジレンマではありますが、ごく狭い仲間内などの範囲で情報交換は許されるのでは?と思います。

​音声の誘導で着陸させる管制GCA

​軍用機も民間機と同じように航空管制を受けて飛行するのでうが、着陸の完成は民間機と違った方法があり、それがGCA(グランドコントロールアプローチ) 日本語では着陸誘導管制という方法で、有事を想定しての着陸方法となります。

軍用機が着陸する際には、GCAコントローラーと呼ばれる管制官が、音声でパイロットに対して着陸コースに対して上下左右にズレがないかを知らせながら滑走路へと誘導して着陸させるのですが、この方法は基本的に1機に対し一人のコントローラーが付いて誘導します。

計器で着陸できる時代に、なぜこんな手間のかかる方法を使うのか?ということですが、他国から攻撃を受けた際に、真っ先に狙われるのが航空基地とレーダーサイトであり、空港に大きなダメージを受けます。

そこで必要になるのがGCAで、破壊された空港(基地)に移動式のレーダー(PAR)と空港監視レーダー(ASR)を設置し、あとはGCAコントローラーがいれば着陸が可能になり航空基地として極めて早く復旧できます。

このような理由から、パイロットはもちろん、GCAコントローラーも日ごろからGCAで着陸を行い訓練を積み重ねていいるのです。

​たしかにエアバンドの世界としては地味なジャンルではありますが、着陸してくる戦闘機がどの地点まで来ているか?は写真撮影においても大切な部分であるので、ぜひ受信にチャレンジしてみて下さい。

​ブルーインパルスの交信を聞く

​ここ数年来の航空祭人気の立役者は、アクロバット飛行を披露するブルーインパルスのフライトで、関東近郊の某基地航空祭には交通の便が良いために約30万人ものお客さんが集まってきます。

ブルーインパルスが行う展示飛行の最高峰であるアクロバット飛行は、大空を見上げているだけでも感動もの!!

これに受信が加わってパイロットたちの肉声が聞こえてくれば、目と耳から多元的にブルーインパルスを楽しむことが出来る。

 

次のブルーの動きが無線でわかる

 

​6機編隊で飛行するブルーインパルスはいろいろな隊形で飛行しますが、離陸直後はソロと呼ばれる5番機6番機が別々に離陸しながら5番機が天候調査をして、この時点で通過飛行だけにするのかアクロバット飛行をするのか区分を決めます。

区分には第一から第四まであり、天候に問題ない場合にフルスケールで行うのが第一区分で、雲の最低高度が低くなるにつれ、第二区分、第三区分、第4区分(まれに第五区分というのがあるらしい)となり、これも無線で指示を出します。

ブルーインパルスの使う周波数ですが、基本的にはUHF帯のタワー周波数を使うことが多いのですが、GCAの周波数をつかうこともあるし、ディパーチャーという出発経路に使用する周波数を使うこともあり、一概には言えません。

ですので、その基地で使用される周波数をプリセットしてスキャンさせるのが確実で、出来れば前日の事前訓練で基地付近に出向き、使用周波数を確認したいところです。

また、基地以外の例えばどこかのイベント会場にて展示飛行をする場合は非公開GCА周波数を使うこともあり、こうなると無線が入ってこないと気づいてkあら受信機で周波数スキャンしても捕捉は難しいかもしれませんね。

こちらも可能ならば前日の練習飛行のときに現地入りしておけば、周波数補足の可能性も高まるかもしれません。

ブルーインパルスの周波数を受信することによって、次の科目がわかるのでそれによってワイドと望遠レンズ交換をしたりということが可能になり、エアバンドを聞ける受信機を持つことはカメラマンにとっては大きな武器になることでしょう。

基地周波数の世界
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